ギーグ・メモリーズ 2
会議室についた。
俺は、「一番隊隊長」と名前のついている椅子に腰掛ける。
周りには、先に集まっている隊長達が話し合いをしている。
と、言っても世間話のようだが。
まぁ、俺は気楽でいいと思う。
・・・そう考えていた時、不意に後ろから声をかけられる。
「あ、早いねー、珍しい。」
俺が振り向くと、そこにはまた見慣れた顔。
レギオンズ7番隊隊長、「7」だ。
彼女もキルと同様に、レギオンズでは昔から居るメンバーだ。
「今日は何の話だろうね」
と、言いながら、俺の隣の隣、「7番隊隊長」と書かれた椅子に座り込む。
俺は「知らない」とだけ答えておいた。
このレギオンズの「隊長」とは、それぞれ個人の「スキル」、戦闘能力、潜在能力など、優れた部類において、ギル長から決められる。
キルは理系、7は情報、俺は・・・
「戦闘&マッドサイエンティスト」だ。
キルもマッドサイエンティストだが、分野が違う。
俺はクローン、レプリカドールといった、生物兵器を扱う。
そこにキルも来た。
「おお、ギーグ、遅れてないじゃん、あ、おはよう、7」
「おはよー、キル」
そして三人で少し話していると、
「やっほー、みんな〜、」
と言いながら、ギルド全員が知っている、このレギオンズの創始者、
「スフォル」だ。皆からは「ギル長」と呼ばれているが、俺たち3人は普通にスフォルと呼んでいる。
実際、俺がレギオンズに入ったのは、スフォルに影響されたからだ。
その話は、後ですることにしよう。会議が始まる。
「えーっと、じゃあ始めようか。」
会議の内容は、まぁそれぞれの隊長達のメンバーの育成状況や、町や村などの災害、騒動など、あらゆる面で話し合われる。
大体はそんな感じで、今日の会議は終わった。会議は、一週間に1、2回ある。朝、夜、どちらかだ。
「あー、終わった・・・」
俺は溜め息混じりにそう言う。
「そう言いなさんなぁ、ギーグ、隊長の仕事、頑張れ〜」
スフォルが気楽に話しかけてくる。
「ん・・・ああ。」
適当に返事を済ませ、会議室を出る。
ふと時間を見ると「10:28」とある。
「訓練所の様子でも見に行くか・・・」
とつぶやきながら訓練所に向かった。
「訓練所」
訓練所とは、その名のとおり、戦闘経験を積み、鍛錬する。
一番隊でよく使うところだ。
「教官」
「ああ、ギーグ殿。おはようございます。訓練は始めています。一番隊の男性は此処で、女性は隣の部屋で医学の教育をしております。いつものように、順調ですよ」
「ああ、分かった」
演習場とも言われる此処は、団員同士で戦い、訓練する施設もある。そして隣の施設では、女性団員が応急処置など、医学の教育をする。
俺の隊は戦闘分野だが、回復担当がいる。
死んだら意味がないからな。
適当に様子を見て、俺は自室へと戻る。
「・・・たまには墓参りに行くか」