東方好きの隠れ家

暇な時には小説書いたりいろいろやってます。「レギオンズ」というサークルのメンバーです。

アデル

あれからどれ位経ったのだろう。

目を閉じれば、

あの時の記憶が蘇る。

誰かに覚えていた筈なのに、とても、とても、遠い昔の事のようだ。

俺の名前はなんだったっけ?

昔はたしか、

『ギーグ』と呼ばれていたな。

本当の名前ではないけど。

それでも、俺だと実感できる名だった。

本名は誰にも教えなかった。

だけど、信頼の証として、教えたんだったな。




死んだと思っていた、大切な人。

その正体は、俺と同じ境遇で、任務の時に助け出した少女だった。

記憶を無くし、自分が誰かも分からなくなっていた。

今は、俺の秘書として働いている。





戦争を止める時。

あの時『俺』は死んだ筈だった。

だけど、

幻想の地の『彼』が、

俺を生かした。


…夢をみていたのか、ぼんやりと、視界がひらけていく。


『今日も一日、取り敢えず仕事するか…』



部屋から抜け出し、俺はまた、
いつもと変わらない日常へ、
一歩、また一歩と、
歩き出す。








パタン、と倒れるデスクの写真。
そこには、

左に白髪の青年、
右に褐色の少年、
真ん中には先程の青年。

写真には名前が書かれていた。



『災厄の三兄弟
アルト アデル アスタ』










ちょっとした話のまとめですよ。
拙い部分は暫く書いてなかったのでリハビリが必要ですなぁ